神戸市東灘区の小児科・アレルギー科ならばやしこどものアレルギークリニック

神戸市東灘区本山中町4丁目13番15号ご相談 078-412-7925

NAC隊長のソロ活動SOLO WORK

アレルギー疾患療養指導士

一般社団法人 日本アレルギー疾患療養指導士認定機構 という組織がありまして、この組織がアレルギー疾患療養指導士(CAI)という資格を持つ医療従事者を認定しています。

この機構のホームページによると、『CAIは、喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の治療や管理に関する専門知識を有し、患者さんや家族への指導スキルを兼ね備えたコメディカルスタッフです。』とあります。

要するに、NAC隊長の診療業務を大きくサポートしてくれる資格、というわけです。

これまでNACにはこの資格を持つ看護師が2名いましたが、先月新たに2名の看護師が資格試験に合格し、併せて4名になりました。

NACに来てくださるたくさんのお子さんのアレルギーの悩みを解決すべくサポートする中で、スタッフ一同日々成長していると感じます。

その結果としてCAI資格試験合格がありました。

これからさらにきめ細やかな医療を提供できるよう精進いたします。

AYA世代応援プロジェクト

2023年4月からならばやしこどものアレルギークリニックの英語表記を

Narabayashi Allergy Clinic for children, adolescents and young adultsと改めたことは先にお伝えしたとおりです。

Adolescents and Young AdultsをAYA世代と言います。

日本語に訳すと「思春期世代と若年成人」ということですから10代後半から20代半ばくらいまでの世代を指します。

食物アレルギーの原因で多い鶏卵、牛乳、小麦は、多くの方が小学校入学までに制限なく食べられるようになりますが、中には残念ながら食べられる量に制限が残ってしまう方もおられます。

このように食物アレルギーが十分に解決しないままAYA世代となった方々の支援を行うことがNACのmissionと考えています。

その一環として、鶏卵と牛乳にアレルギーがあるという共通点がある社会人のAさんと大学生のBさんの情報交換会を実施しました。

大学生のBさんが、「この先周囲にアレルギーのことをどう伝えたらいいのか、先輩はどうしているのか知りたい」と希望され、社会人のAさんが「ぜひ力になりたい」と協力を快諾してくれて実現しました。

場所は近所の大衆的なイタリアンレストラン。

お店には事前に事情をお話しして配慮していただきましたが、お二人には自分たちで食べられるものを選ぶ練習もしていただきました。

小麦アレルギーがあるとイタリアンでの食事は難しいのですが、鶏卵・牛乳の場合は案外選択肢が多いのです。

ランチを味わいながらAさん、BさんとNACのスタッフナースSとNAC隊長の4人でいろいろお話しました。

職場の同僚にアレルギーのことは伝えているのか、飲み会ではどう配慮したり配慮してもらったりしているのか、おつきあいする方にはどう伝えているのかなど、

診察室ではなかなかうかがえない話がたくさん聞けて、こちらからの情報提供もあり、お二人には有意義な時間を過ごしていただけたと思います。

NAC隊長とナースSにもたくさんの“気づき”があり、AYA世代への支援の重要性を再認識しました。

アレルギー症状が出てしまうことなく、会は無事に終了しました。

NACでは今後も要望があればこのような機会を設けますので、遠慮なくお伝えください。

ヴィーガンと食物アレルギー

先日、家の近くにあるヴィーガンカフェへランチをしに行きました。

ヴィーガンとは、ベジタリアンの範疇の一つで、100%植物由来の食材を食べることをライフスタイルとしている人たちのことだそうです。

一口にベジタリアンといっても肉類だけ食べない人、肉や魚や卵を食べない人、肉や魚や牛乳を摂らない人などいろいろな種類があります。

ヴィーガンは「最も厳格なベジタリアン」というところでしょうか。

つまり、ヴィーガンカフェは日本の子どもの食物アレルギーの原因として多い卵と牛乳を使用しない飲食物を提供するカフェなのです。

カフェ好きなNAC隊長、これまでにも何度かヴィーガンカフェには行ったことがありますが、いつも同じことを感じます。

曰く、「お腹はいっぱいになるんだけど、何か物足りない」。

ヴィーガンではないNAC隊長は体が動物性たんぱく質を求めてしまうのです。

決してヴィーガンの方を否定するつもりはありません。自分はヴィーガンをライフスタイルに取り入れるのは難しそうだな、という話です。

お店の方に伺うと、やはり食物アレルギーのある方が来店されることがよくあるそうですが、

ライフスタイルであるヴィーガンと、なりたくてなったわけではない食物アレルギーとは別次元のように思います。

 

 

 

スタッフ勉強会

NACでは月に一回、アレルギーのこと、お薬のことなどについてスタッフみんなで集まって勉強しています。

2月は発達障害(最近は「神経発達症」と言い換える方向にあるそうですが、便宜上ここでは「発達障害」と記載します)について、NACの近隣で発達障害の診療を専門に行っているふじた小児科の藤田杏子先生にレクチャーしていただきました。

世界的に見て、アレルギー疾患は増加傾向にあるのですが、発達障害も増加しています。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)によりますと、2000年に「150人に1人」だったのが2018年には「44人に1人」の割合となっています。

NACには多くのお子さんが定期的に来院してくれますが、ひとりひとりが個性的でNAC隊長以下スタッフ全員が日々楽しませてもらっています。

そのひとりひとりの個性に合った接し方を学ぶのが今回の勉強会の目的でした。

NACで行っている食物経口負荷試験では2時間以上院内で過ごしてもらうため、お子さんが心地よく過ごせる環境づくりを心がけています。

この際に、親御さんから子育ての悩みについて相談される機会が多く、藤田先生のわかりやすい講演にスタッフはみな真剣に聞き入っていました。

そして、発達障害に限定せず、普遍的にいろんな個性を持つお子さんひとりひとりへの接し方を考えるきっかけになったようです。

藤田先生ありがとうございました。

 

 

 

 

エール

この時期、中学受験を終えたこどもたちが外来で結果を報告してくれます。

希望通りの学校に決まった子、希望通りにいかなかった子。

どちらであっても、よく頑張ったね。頑張った事実を誉めてあげたいです。

希望通りの学校に決まった子は、学校生活を伸び伸び楽しんでほしい。

希望通りにいかなかった子、残念だったね。第二志望を選んだ子も、公立中学を選んだ子も、まずはそうなった運命を受け入れて、学校生活を楽しんでみましょう。

「あの時、あの学校に行けなくてよかったのかもしれない」「あの時の選択は間違ってなかったんだ」と思える瞬間がきっと来ます。

それは5年後かもしれないし、10年後かもしれないし、20年後かもしれない。

NAC隊長は人より多く受験を経験しました。まだまだ人生は続いていくので、振り返る時期ではないですが、これまでのところ、3つの大きな転換点がありました。

ひとつめは、最初に入った大学に見切りをつけて医学部を受けなおしたこと。これがなければ今の自分はありません。

ふたつめは、医学部を卒業して最初に努める病院(初期研修病院)。訳あって自分が働きたかった病院で働けなくなり、自棄になって「働けるならどこでもいいや」と投げやりな気持ちで選んでしまったこと。こう書くと良くなかったように聞こえるかもしれませんが、この病院で今の妻と出会ったので、結果的には良かったのです。

みっつめは、アレルギー診療の勉強のために当時は縁もゆかりもなかった静岡県の病院で働くことを決めたこと。ここで本当にたくさんの経験を積むことが出来、今の自分があります。経験だけでなく、友人もたくさんできました。この思い切った選択のおかげで今、アレルギー専門医として毎日充実した診療の日々を過ごせています。

人生が思い通りにいかなかったとき、いつまでも悔やむのではなく、まずはそうなった運命に身をゆだねてみるのも悪くない。

人生の師に出会えるかもしれません。生涯の友に出会えるかもしれません。一生かけてやりたいことがみつかるかもしれません。

気休めかもしれませんが、そんな言葉をかけてあげたいです。