神戸市東灘区の小児科・アレルギー科ならばやしこどものアレルギークリニック

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NAC隊長のソロ活動SOLO WORK

校医のお仕事:就学時健診

毎年11月半ばには、校医をしている小学校に出向いて、来年小学校に入学するこどもたちの健診を行っています。

こどもたちは初めて来る「学校」という場所に緊張していることでしょう。

眼科健診、耳鼻科健診と受けて、最後にNAC隊長が担当する内科健診に緊張した面持ちでやってきます。

NACに定期的に通院してくれているこどもたちは、ここでみんな笑顔になります。

見知らぬ場所で知っている人の顔を見て、きっと緊張がほぐれるんでしょうね。

NAC隊長が園医をしている保育園に通っているこどもは「なんでここにも?」と不思議がります(そりゃそうでしょう)。

実はこの健診、ひっきりなしにこどもたちの診察が続くので、めちゃくちゃ疲れるんですよ~。

休む暇がない。

なので、知ってる子の診察の際には雑談なんかして、ちょっと休憩するのです。

まさにお互い、win-winです(笑)。

 

 

 

2024夏の経験

異常に暑い2024年の夏もそろそろ終盤。

NAC隊長この夏いちばんの思い出は、こどもたちのアレルギーキャンプに参加したことです。

LFA(livingwithfoodallergy)という団体が主催する、食物アレルギーがあるこどもたちが彼らにとっての“食の安全”を学ぶためのキャンプで、NAC隊長はその見守り役として参加しました。

この団体のことは前から知っていたのですが、なかなか接点がなく関わることがありませんでしたが、7月の学会で代表者の方とあいさつを交わしたところでした。

開催の二日前に、参加予定だった医師の一人がコロナウイルスに罹患してしまい、急遽その代役としてお声がかかったというわけです。

日曜日、何も予定がなかったわけではありませんが、開業してからの方針として「医師としての自分への依頼は極力断らない」ことにしていますので、予定を調整して引き受けました。

参加者は小学3年生以上の小学生、高学年になったら経験する自然学校や修学旅行を無事に過ごす力を養うことが目的だそうです。

主に関西在住のこどもたちですが、中には愛知県から参加している児童もいました。みんな初対面だっただろうに、こどもたちはすぐに打ち解けていました。

そして外でバーベキュー。子供たちは暑さ対策に慣れていて、帽子はもちろんのこと、日差しよけのための薄い長袖パーカーや虫除けスプレーを準備していました。一方NAC隊長はといえば、半袖Tシャツにハーフパンツ、帽子なんてありません。

「ああ、昼間は涼しい屋内で仕事をしている僕みたいな大人が、こういうとき熱中症になるんだな」と自分が熱中症のハイリスクであることを学びました(笑)。

使用する食材はさまざまなアレルギーに配慮されたものばかりでしたので、誤食事故が起こる可能性は限りなく低いのですが、普段と異なる場所で緊張して体調を崩すこどもが出ないとも限りませんので、自分がいる意味はあるのかなと思いました。

なにより、アレルギーを気にせずみんなといっしょに食べられる機会を得たこどもたちは本当に楽しそうでした。

NAC隊長がいちばん気になったのは、参加者名簿に記載された、アレルギー症状出現時の内服薬と対応方法。原因食材は違えど、同じ食物アレルギーという疾患なのに、処方されている薬や症状出現時の対応がてんでバラバラなのです。特に気になったのはステロイドの処方。

「強いアレルギー症状が出たら内服」と指示されている子がいましたが、そもそもステロイドは即効性がありません。「強いアレルギー症状」が出たら、まずは即効性があるエピペンを使用すべきです。

ここから見えてきたのは、食物アレルギーって、「どこにかかるか」、もっといえば、「誰にかかるか」で、日々の対応や暮らしやすさに大きな違いが出てきてしまうということ。

本当はもっと食べられるのに十分な検査をされずに制限を余儀なくされていることがあるかもしれません。

食物経口負荷試験のやり方を工夫すればもっと食べられるかもしれません。

エピペンを使用するタイミングを見直せば誤食しても強い症状に至らず済ませることができるかもしれません。

国は「アレルギー診療の均霑化(どこにいても標準的な治療が受けられること)」を目指していますが、現状はまだまだだなぁと感じます。

とにもかくにもこのアレルギーキャンプ、終了後のアンケートですべての子供たちが満足して、「また参加したい」と答えていました。

素晴らしい。NAC隊長もまた参加したいです。

 

疑似体験

夜中に掌がかゆくてボリボリ掻いていました。

その行為のせいで目が覚めて、やっぱりかゆいのでバリボリ搔いてしまう。

蕁麻疹でも出ているのかと思って明るいところで確認したけれど何もない。

ベッドに戻って眠ろうとするも、やっぱりかゆくてバリボリバリボリ。

寝ぼけ眼で「前の日に食べたもののせいかな?」と考えてしまう自分に「あんたアレルギー専門医やろ!そんなわけないやんか!」と突っ込みを入れてしまう自分。

その間もかゆくてバリボリバリボリ。

気が付いたら朝になり、ぐっすり眠れなかったせいか日中も眠い。

原因を冷静に考えてみて思いついたのが前日の行動。

往復220km(大部分は高速道路)をドライブしていました。

足回りが穏やかとは決して言い難い、むしろ硬くて振動が強い車でそんな長距離を運転した影響が出たのでしょう。

ハンドルを握っていた掌だけがかゆかったことから、日中の振動の影響が夜になって出たと考えられます。

アトピー性皮膚炎で寝てる間も搔いているというお子さんの気持ちがよくわかりました。

かゆみってひたすら搔いてしまいますね・・・。

 

0歳から18歳まで

5月6月は学校健診真っ盛り。

開業小児科医ならほとんどの方が小学校または中学校の校医をしています。

NAC隊長も小学校と中学校の校医を務めています。それだけにとどまらず、こども園の園医や乳児院の嘱託医も務め、高校の健診にもお手伝いに行っています。

最近ふと、「0歳から18歳までのこどもたちの健診をしている」とう事実に気づきました。

ひとりのこどもを18年間追い続けているわけではありませんが、各年齢数十人から200人以上のこどもを健診する機会が持てている。

小児科は基本的に15歳までが対象となるので、医師が一人しかいないような地域ならまだしも、神戸みたいな都会でこのような経験が出来ているのは希少なことです。

なんらかの不調を訴えて来院される普段の外来診察と異なり、特に訴えのないこどもたちから不調の種を見つけ出す健診はまた違った緊張感があります。

年齢による体の変化も勉強になります。発達の進み具合はどれくらいまでが正常で、どこからが正常を飛び越えているのかという基準が自分の中で具体化し、普段の診療で発育について相談を受けたときにお子さんや親御さんを安心させてあげることができます。

最近の風潮として、学校健診で脱衣を行うことへの疑問を呈する声がありますが、「目で見て学べる機会」が奪われてしまうのは医師にとってもお子さんにとってもデメリットになるように思います。

 

4年ぶりに

開院以来、神戸市灘区にある神戸こども初期急病センターに月1回のペースで出務していたのですが、コロナ禍で途絶えてしまっていました。

今年2月から4年ぶりに出務再開となりましたが、4年という時間は大きな変化をもたらします。診療が軌道にのって午後の診察が終わるとくたくたです。4年もあれば年も取ります。4年間の空白ののちにまた夜遅くの診療をするのはなかなか大変です。

続けていればいずれ体が慣れてくる、とは思うのですが・・・。

 

4年ぶりの出務で気づいたのは体力の衰えだけではありません。

夜遅くに受診されるお子さんや付き添いのご家族は、何もこんな夜遅くに受診したいわけではないでしょう。けれども「こどもが熱を出した」「おなかを痛がっている」「食後に湿疹が出てきた」とあれば、心配ですぐにでも診てもらいたいと思うのが道理です。

「こどもが急に熱を出した」は仕方ないと思います。

「おなかを痛がっている」で受診されるお子さんの多くが「便秘」が原因です。親御さんに話を聞くと、「普段から排便時に痛がる。血が出ることもある。かかりつけに相談したら「個性だから」と言われた」なんておっしゃることがしばしばです。

便秘は急に始まるわけではありません。普段からしっかり便が出せていなくて、たまりにたまって生じるので、解決策は便がたまらないように、お薬で治療してあげることです。

なのに、便秘が軽視されてきちんと治療されていないために夜間の受診が生じてしまうという悪循環。

 

NACはアレルギー疾患だけでなく、日常生活をhappyに過ごせなくなってしまう便秘や夜尿症などの診療もきちんと行うことを心掛けています。