神戸市東灘区の小児科・アレルギー科ならばやしこどものアレルギークリニック

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NAC隊長のソロ活動SOLO WORK

来年の準備

ときどき滞ることがありますが、NACはみなさんに来院を楽しんでもらおうと常に“何か新しいこと”をやろうと考えています。

最近、その準備のため、男一人では入りにくいお店に行きました。

でもそこは、ファッションに興味がある人ならきっとテンション上がるお店です。

2022年1月、NACの何かが変わります。ご期待ください。

食物アレルギーの原因食材

食物アレルギーの世界で、変化が起きています。

先週開かれた日本アレルギー学会学術集会において、ちょっと衝撃的な発表がありました。

食物アレルギーの原因食材はこれまで、1位:鶏卵、2位:牛乳、3位:小麦 だったのですが、ここに変化が起こりました。

最新の調査で、3位が小麦から木の実類(いわゆるナッツ)に入れ替わったのです。

「木の実類」というとなんだかピンときませんが、クルミやカシューナッツ、マカダミアナッツなどのアレルギーが増えている、ということのようです。

特にクルミアレルギーが増えています。

NACでも2019年7月25日のこの欄でクルミを食べて症状が出て受診される方が増えています、とお知らせしました。2019年の夏はクルミやカシューナッツを食べて症状が出た、と言う理由で来院される方が多く、「増えている」と感じていたところでした。するとその年の秋の学会で「クルミとカシューナッツのアレルギーが増えている」という報告があり得心しました。

それから2年で、原因食材の順位が入れ替わるほどに増えているわけです。

理由として考えられているのは、ナッツ類の輸入量の増加です。東京税関が発表している資料によると、2018年のクルミの輸入量は2009年に比べて約2.1倍に増加しています。同様にカシューナッツでは約1.7倍に増加しています。

輸入量が増えている、ということはつまり、消費量も増えている、すなわち食べる機会が増えている、ということなのでしょう。

するとそれを原因とするアレルギーも増える、と考えられます。

ここで問題となるのは、鶏卵・牛乳・小麦のアレルギーは症状が出ない程度の量を食べていくことで制限なく食べられるようになることが多い一方、木の実類のアレルギーは「9割が食べられるようにならない」とする海外からの報告があることです。つまり、いったんアレルギーとわかったら除去せざるを得ない。

ただ、小麦は食生活で大きな位置を占めていて、パンや麺類、お菓子などで毎日食べることが珍しくありませんが、木の実類を「毎日食べる」人は少ないです。

「木の実類は食べなくても生きていける」という人が一般の方だけでなく医療者にもいますが、う~~~ん、どうなんでしょう?

食生活で“気を付けなければならない”食材があるのはやっぱり不便です。

もしかしたらこの先、木の実類も「食べられる範囲で食べていけば制限なく食べられるようになる」という報告が出てくるかもしれません。

 

 

今そこにある湿疹と・・・

先日、8月とは別の製薬会社の社員向けにアトピー性皮膚炎の講演を行いました。

このスライド、苦労して作成した分、結構思い入れが強くて、今回は微修正して臨みました。

タイトルは『今そこにある湿疹と後(のち)のQOLについて』。

???なタイトルですよね(笑)。

春にNHKで『いまそこにある危機と僕の好感度について』というドラマが放送されまして、このタイトルが面白かったので参考にしてみた(“パクった”とも言います)のですが、内容はきちんとタイトルの意味がわかるものになっています。

聴講してくださった方々には楽しい時間を過ごしていただけたようです。あ、いや、「勉強になりました」とおっしゃっていただきました(笑)。

思うところ、あり。

この夏二回目の講演は、これまで経験したことがない依頼でした。

日頃、その医薬品を大活用させてもらっている製薬会社の営業所で、社員向けの講演です。

しかも内容は「アトピー性皮膚炎について」。

これまでアトピー性皮膚炎だけで一時間もお話したことがなかったので、構成がなかなかまとまらなくてスライド作成は難航しました。

ただ、普段の診療で思うところもありましたので、そこを中心にまとめる方向でなんとか完成させました。

こうしてスライドを作るときに、参考文献をたくさん読むのですが、これによって自分自身の知識が増えて成長につながるので、基本的に依頼は断らないよう心掛けています。

 

NACにアトピー性皮膚炎(というか、『湿疹・かゆみ』)の相談で来院される方のほとんどが「すでにほかにかかっているけどよくならない」とおっしゃって来られます。

NAC隊長がたちどころによくなる魔法の薬を処方しているわけでは決してありません。

学会が作成しているガイドラインに従って地道な医療を行っているにすぎません。

現在の医療でアトピー性皮膚炎をよくするには地道な努力を続けるしかないのです。

わたしたちは、その「地道な努力の続け方」をお伝えするよう努めています。

実はNAC隊長はこの“地道な努力”って好きなんです。だって、地道な努力はいつか実ることが多いですから。

もちろん、地道な努力はみんなが続けられるわけではないことも心得ています。

それでも、なんとか続けてもらえるよう、ハードルを下げる努力をしているのですが、それでもできない人はいます。途中で来られなくなる方もおられます。

講演ではそういう日々の診療についてお話させていただきました。

内容が面白かったかどうかはわかりませんが、製薬会社が作っている薬がとても役に立っていることは伝えられたと思います。

 

 

今年も講演の季節。

兵庫県教育委員会からのお仕事、『学校における現代的な課題解決支援事業』のアレルギーの分野で7年前から県内各地で講演をさせてもらっています。

今年は、県としての事業は行われず、開催は各自治体の判断となったようです。

一昨年は丹波市、昨年は多可町で講演しましたが、今年は県からの依頼はないので、講演の機会はないだろうなと思っていたところ、多可町から「昨年好評だったので今年もお願いしたい」と依頼がありました。

食物アレルギーを持つ児童生徒が学校で安心して生活できるよう関係者の方々に正しい知識を持ってもらいたい。

同時に、学校関係者の方々が食物アレルギーを持つ児童生徒を臆することなく受け入れられるようになってもらいたい、との思いで講演をしています。

昨年と同じスライドを使って話せば楽じゃないかと思われるかもしれませんが、それを許せないのがNAC隊長のめんどくさいところ(笑)。

もし、昨年の講演も聴いてくれた方が今年も参加していたら、「なんだ、去年と同じ内容じゃないか」と思われてしまいます。暑い中、せっかく聴きに来てくれた方に申し訳ないと感じるので、講演スライドは8割作り直しました(この作業は大変なのです)。

そんなにネタがあるの?

あるんです。たくさんの子どもたちを診ていますから。

スライドが完成したら、「去年よりいいものが出来た」って毎回思うんですが、いざ話してみると「ここをこうすればよかった、あそこはああすればよかった」と反省点が出てきます。

今年はそういう反省点はなかったのですが、もっとひどいことに、時間を大幅にオーバーしてしまい、話す予定だった内容を一部端折ってしまいました。

話し手のプロ(講演料をいただいているのだから、プロ、と自覚しています)としてあるまじき行為と猛省していますが、聴いてくださっている先生方の理解度が高かったので、講演内容自体にはさほどの影響はなかったように思います。時間オーバーしたにも関わらず、居眠りしている方もなく、心地いい達成感を味わえました。

終了後に何人かの方から実際の学校での対応について質問をいただきました。どれも医療者の“正論”では対応が難しいケースで、来年に向けての課題をいただきました。

その方々から、「来年も来てくださいね」と言っていただき、今年はいい講演が出来たのかな、と思えました。

もしかしたら今年いちばんの猛暑日だったかもしれない中、聴きに来てくださった方々に感謝申し上げます。