神戸市東灘区の小児科・アレルギー科ならばやしこどものアレルギークリニック

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NAC隊長のソロ活動SOLO WORK

初めての録音

2月14日に『令和2年度 兵庫県アレルギー疾患対策事業 アレルギー疾患医療従事者等研修会』がwebで開かれます。

その名の通り医療従事者向けの研修会なので一般の人は聴講出来ませんが、この研修会はアレルギー疾患を包括的に学ぶためのもので、耳鼻科の医師や皮膚科の医師の講演もあります。

NAC隊長は小児科分野の講演を担当することになり、「食物経口負荷試験」についてお話します。

昨今、コロナウイルス感染拡大の影響でこうした研修会や学会が軒並みweb開催となり、発表者は事前にpower pointで作成したスライドに音声を吹き込み、それが一定期間web上で閲覧可能となります。

NAC隊長はpower pointに録音機能があるなんて知らなかった(恥ずかし~)のですが、今回初めてその機能を利用して講演を行う羽目になりました。

このためにマイクを購入し(カラオケが好きなNAC隊長はいつか my microphoneが欲しいと思っていたのですが、まさかこんな動機で購入することになるとは・・・)、休診日のクリニックでレコーディングしましたが、これがまた、ものすごく緊張する!

これまでのリアルでの講演は、スライドを作成する中で話したいことがまとまって、台本なしで話していたのですが、レコーディングとなると話は別。

話したりないことや伝え忘れたことがあとからあとから出てきて、撮りなおすたびに内容が微妙に変わってしまう・・・。

なんどか台本なしでやってみて、「これは台本がいるな」と思い至り、締め切りが迫る中急いで台本を作成し、なんとか完成にこぎつけました。

でも、マイクを使用したせいか、息遣いまで聞こえてしまう妙に生々しい録音になってしまいました。

しかも、録音した自分の声は普段自分に聞こえる自分の声とはだいぶ違う・・・。

自分の声は皆さんにこんな風に聞こえていたのか、と発見と言うか反省がありました。

肝心の講演内容については、NACが力を入れている食物経口負荷試験を新たに始めようと思う医療者に向けて、教科書に書いていない大事なポイントについてお話しました。

食物経口負荷試験を行っているクリニックはまだまだ少なく、でもだからと言って簡単に始められるものではないので、相応の覚悟がいりますよ、というちょっと厳しい内容になっています。

2月14日当日は事前に講演スライドを聴いた参加者からの質疑応答がweb上でリアルタイムで行われます。

これもまた緊張するんだろうなぁ・・・。

 

「健診」は大事です。

久しぶりの更新となってしまいました。

8月末からほぼ毎週のように続いていた水曜日のお仕事、「健診」がようやく終わりました。

今年はコロナウイルス感染拡大の影響で学校の臨時休校があったため、本来春に行う生徒の健康診断が秋にずれ込んでしまいました。

学校に限らず、保育園や幼稚園も同じ状況です。

今シーズン、NAC隊長は保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校にて健診業務を行いました。これほど幅広い年代の子どもの健診を行える機会はそうそうないので、とても勉強になりました。

他の校医・園医の先生がどう考えていらっしゃるかはわかりませんが、NAC隊長は健診業務って小児科医として重要な意義と意味があると考えています。

彼らから見れば“大人”である医師への態度・対応が年齢によってどう変わるか、肌の質感がどう変わるか、体格がどう変わるか等々、学べることがたくさんあります。

もちろん、年齢によってどんな隠れた病気が見つかるかも確認できます(実際にはほとんどの子どもが健康そのもの、なのですが)。

ただし、一回の健診で100人以上(多い時は200人以上)の診察を行うので、神経を研ぎ澄ます時間が長いだけでなく、体のいろんな部分に痛みが生じて、終わった後はぐったりです。

来年はどんな状況になるか皆目見当がつきませんが、また多くの幅広い年齢の子どもたちの健診に携われたらいいなぁ。

水曜日の過ごし方

水曜日は休診日・・・のはずですが、NAC隊長は休んでいるわけではありません(涙)。

8月末からほぼ毎週、どこかで健診業務を行っています。

クリニックに来るこどもたちは、なにがしかの不調があるために来院します。診察して不調の原因を突き止めるのが隊長の仕事です。

健診では、「別にどこも悪くないよ」というこどもたちに、何か不調はないか? を見つけるのが仕事です。

クリニックでの仕事とはちょっと気分が変わるので、気分転換になっているのですが、「見落とさないように」という緊張感は何も変わりません。

大好きなスイーツ食べたりしてそれなりに息抜きはしてるつもりですが、さすがに毎週続くと弱音を吐きそうになります。

健診がこの時期に重なってしまっているのは、コロナウイルスのせいです。

いつまで続くのか、この我慢生活。

アトピー性皮膚炎について一言

今年度から、本山第一小学校の校医の役目をいただきました。

今年はコロナウイルスの影響から、例年通りのスケジュールで健診を行うことができず、秋までずれ込んでいますが、今日の時点で残すは4年生だけとなりました。

この学校はNACに通ってくれているお子さんがたくさんいるだけでなく、養護の先生方がとてもフレンドリーなおかげで、まるでhome groundで診察しているような気分です。

NAC隊長はアレルギー専門医であると同時に小児科専門医ですので、小学生の健康管理に大きな使命感を持って診察しています。

けれどもその中でやはり気になってしまうのはこどもたちの“肌”です。

「アトピー性皮膚炎」と指摘した児童が各学年に複数名います。

NAC隊長は小児科専門医であると同時にアレルギー専門医ですので、アトピー性皮膚炎で困っているこどもたちに対して強い情熱を持って診療しています。

これまでに指摘した児童の多くがきちんと受診して、返書を学校に提出してくれています。

それらをみて気になったことが3つありましたので、この場でまとめます。

まず、ほとんどのお子さんが「すでにどこかにかかっている」という返事でした。

もちろん、そんなことは百も承知で指摘しました。

「すでにどこかにかかっている」のに明らかにかゆそうな所見があって、本人も「かゆくて困っている」と言うのです。それでいいの?と思ったからこそ指摘したのです。

今回、NACにかかってくれている児童に対して「アトピー性皮膚炎」と指摘することはほとんどありませんでした。わざわざ指摘しなくても親御さんもNAC隊長もすでにわかっているから、ではありません。

指摘する必要がなかったからです。指摘する所見がなかったからです。

多くのお子さんとご家族が皮膚のケアを上手に行ってくれているのですね。

でもそんなこどもたちも、初めてNACに来てくれた時は明らかにかゆそうな湿疹が目立っていました。

NACは開院してまだ4年目ですから、彼らが初めてNACを受診した理由のほとんどが「ほかにかかっているけど良くならないから」というものでした。

アトピー性皮膚炎と付き合うのに必要なものは、二つ。「医療者の情熱」と「家族・本人の根気」です。

NACのスタッフは、かゆそうな湿疹があるこどもを目の前にすると「なんとかよくしてあげたい」という思いがこみ上げてきます。湿疹やかゆみが「あってあたりまえ」ではなく「ない状態がスタンダード」にしてあげたいと思うのです。

「根気」と表現しましたが、最初は大変かもしれませんが、上手に付き合えば「ほんのひと手間」程度の労力になります。

かゆみから解放されたこどもたちは表情が目に見えて変わってきます。性格も変わってきます。NAC隊長が健診で指摘した児童にもそうなってほしいと思って指摘したのですが、思いは届かなかったようですね・・・。いや、いつか届いて欲しいと思って、ここに書いてみることにしました。

二つ目の気になった返事は、「検査したらアトピーではなかった」というものです。アトピー性皮膚炎は検査して診断するものではありません。検査は診断の補助にこそなれ、診断の決定要素ではないのです。大事なことは皮膚をいい状態に保ってあげることですが、それを実行するにはその湿疹がアトピー性皮膚炎によるものであって、アトピー性皮膚炎とはどんな病気かを知ることがとりわけ大事なのです。

三つ目の気になった返事は、「すでにかかっていて、スギとダニの舌下免疫療法もしている」というものです。「スギとダニの舌下免疫療法」というのはアレルギー性鼻炎に対する治療で、本来なら避けたい「スギ」や「ダニ」といったアレルゲン(症状の悪化因子)をあえて体に取り込むことによって鼻炎を治してしまおうという治療です。

アトピー性皮膚炎の治療の一環として、生活環境から少しでもダニを少なくする努力が必要なのは多くの医療者が認めるところです。それなのに、ダニのエキスを取り込むことは、もしかしたらアトピー性皮膚炎を余計悪くしている可能性が否定できません。ダニの舌下免疫療法を行う際の大前提は「皮膚の状態をよくしておくこと」です。NACでも多くの方が舌下免疫療法を行っていますが、皮膚の状態がよくないまま開始することはありません。

 

今回の健診で「アトピー性皮膚炎」を指摘した児童の中には重症の子もいました。彼ら彼女らが大きな痒みストレスから解放もしくは軽減される日が来ることを願ってやみません。

(タイトルで『一言』と言いながら長くなってしまいました。この思いが、然るべきこどもたちに伝わりますように・・・)

 

 

21世紀の学術集会

当初4月に予定されていた日本小児科学会学術集会が、コロナ禍で8月に延期になりました。

延期になった際は「オンラインと現地とのハイブリッド開催」とアナウンスされたのですが、コロナウイルスの影響が治まらず、直前になって「オンライン開催」に一本化されました。

確かに、昭和の頃は、21世紀になれば学会は自宅から参加できるオンライン開催になることが思い描かれていました。

ところが実際には21世紀になって20年経つまでそれは実現しませんでした。

それがこのコロナ禍のおかげで(?)一気に当時の未来像に追いつきました。

自分のパソコンで発表を見ることが出来るので、移動時間や宿泊費がかかることがありません。現地で行われた際に「スライドの文字が小さすぎて見えない」とか「前の席の人の頭が邪魔でよく見えない」なんてこともありません。

いいことなんでしょうねぇ・・・。

でも、なぜでしょう、その道の専門家が全国から集まってくる、あのワクワク感がないことが、物足りないようなさみしいような・・・。

こんなセンチメンタリズム、払拭しないと21世紀は生きていけない?のかもしれませんね。