この時期、中学受験を終えたこどもたちが外来で結果を報告してくれます。
希望通りの学校に決まった子、希望通りにいかなかった子。
どちらであっても、よく頑張ったね。頑張った事実を誉めてあげたいです。
希望通りの学校に決まった子は、学校生活を伸び伸び楽しんでほしい。
希望通りにいかなかった子、残念だったね。第二志望を選んだ子も、公立中学を選んだ子も、まずはそうなった運命を受け入れて、学校生活を楽しんでみましょう。
「あの時、あの学校に行けなくてよかったのかもしれない」「あの時の選択は間違ってなかったんだ」と思える瞬間がきっと来ます。
それは5年後かもしれないし、10年後かもしれないし、20年後かもしれない。
NAC隊長は人より多く受験を経験しました。まだまだ人生は続いていくので、振り返る時期ではないですが、これまでのところ、3つの大きな転換点がありました。
ひとつめは、最初に入った大学に見切りをつけて医学部を受けなおしたこと。これがなければ今の自分はありません。
ふたつめは、医学部を卒業して最初に努める病院(初期研修病院)。訳あって自分が働きたかった病院で働けなくなり、自棄になって「働けるならどこでもいいや」と投げやりな気持ちで選んでしまったこと。こう書くと良くなかったように聞こえるかもしれませんが、この病院で今の妻と出会ったので、結果的には良かったのです。
みっつめは、アレルギー診療の勉強のために当時は縁もゆかりもなかった静岡県の病院で働くことを決めたこと。ここで本当にたくさんの経験を積むことが出来、今の自分があります。経験だけでなく、友人もたくさんできました。この思い切った選択のおかげで今、アレルギー専門医として毎日充実した診療の日々を過ごせています。
人生が思い通りにいかなかったとき、いつまでも悔やむのではなく、まずはそうなった運命に身をゆだねてみるのも悪くない。
人生の師に出会えるかもしれません。生涯の友に出会えるかもしれません。一生かけてやりたいことがみつかるかもしれません。
気休めかもしれませんが、そんな言葉をかけてあげたいです。