とある製薬会社の神戸営業所の社員研修でアトピー性皮膚炎について講演しました。
2021年にも同じ企画で講演していますが、今回の内容は全く異なるものになりました。
タイトルは「アトピー性皮膚炎診療の近未来予想図」。
2018年以降、アトピー性皮膚炎には新しい治療薬が次々に発売され、「これ全部使いこなせている医師はいるの?」という状況になっています(NAC隊長も全部は使いこなせていません)。
そんな治療薬の特徴を自分の頭の中ですっきりまとめるためにも今回の講演はいい機会になりました。新しく薬をうまく使いこなすことで、この先アトピー性皮膚炎の診療は少し変わっていくのだろうなぁという内容にまとまりました。「近未来予想図」とはそういう意味です。
こういう講演はこちらから売り込んでいるのではなく、先方から依頼があって引き受けています。
発表のためのスライドは一から作りますし、ひとつひとつの事象に根拠(エビデンス)を示しながら伝えるため文献をたくさん読むことになるので、準備にはとても時間がかかるのですが、自分の知識をアップデートするいい機会になるので、どんなに忙しくても依頼があれば引き受けるようにしています。
今回の内容は自分でもワクワクするくらいうまくまとまったので、発表当日が楽しみでした。
ところが、事件が起きました!
当日の時間を一時間勘違いしていて、それに気づいたのが予定時間を30分すぎた頃。
急いで着替えて駅まで走ってタクシーに飛び乗ったのに運転手さんが土地勘のない人で、話がなかなかかみ合わない。焦る気持ちをなんとか落ち着かせながら会社に到着しました。
予定時間を45分も遅れて始めることになってしまい、講演冒頭は平謝りでした・・・。
最近は減りましたが、ときどきNACを「皮膚科」だと思って来院される方がおられます。
それは皮膚科の先生に申し訳がない。NACは「小児科」クリニックで、アレルギー診療を得意にしています。
ではなぜアトピー性皮膚炎を診るのか?
それは、アトピー性皮膚炎があると、将来的に食物アレルギーや気管支喘息、アレルギー性鼻炎といったアレルギー疾患を発症しやすいからです。アトピー性皮膚炎はアレルギーの「入り口」になる疾患。その後のアレルギー疾患の発症を抑えるためにも、小児科医が診る必要があると考えます。