東灘区民健康講座
毎月一回、東灘区医師会館で区民健康講座が開催されています。東灘区の開業医が持ち回りで講師を務めます。
今回、そこで講演する機会に恵まれました。
事前にみせてもらった資料では、小児科医が講師を務める会の聴講者が極端に少ないことがわかりました。
近頃は子育て世代の親御さんの多くが共働きという状況ですから、平日の昼間に開催される会を聴講に来る方たちの年齢層を考えれば致し方ないところでしょう。
それでは大人向けの話をしようと、NACがアレルギーと同じくらい力を入れている『予防接種』の話をしました。
予防接種の大半は小児に対して行われます。そういう意味では、医師の中で予防接種とのかかわりが深く、予防接種の効果を最も実感しているのが小児科医だと言えます。
ある感染症に対する予防接種が定期接種化されて多くのこどもが受けるようになると、数年後にはその予防接種によって防げる感染症にかかるこどもがほとんどいなくなってしまうのです。
予防接種の効果はそれほどまでに絶大なのですが、最近は海外から日本を訪れる旅行者が増えている影響で、国内では見られなくなったはずの感染症がまた流行する恐れが懸念されています。
となると、成人世代にも予防接種の必要性が高まってきます。
NAC隊長が、人生の大先輩たちに予防接種の重要性を理解してもらうために取った戦略は以下の3つです。
①イラストを少なくし、文字だけのスライドにする。そしてできるだけ大きなサイズのフォントを使う。
②人生に歴史のある方たちは、歴史の話がお好きです。予防接種の歴史についてお話ししました。
③テンポよく、でもゆっくり話す。
講演中はみなさんメモを取りながら熱心に聴いてくださいました。
こうなると話すこちらも調子が出てきます。例え話や雑談も交えながら楽しくお話させてもらい、きっちり1時間で話し終えました。
講演後の質疑応答も盛り上がりました。ひとつひとつの質問が鋭くて、「さすが」という感じでした。
聴講者の中に知り合いの女性がおられて、終了後に「わかりやすくて面白かったです。来てよかった」と言っていただきました。
参加者はやはり少なめでしたが、アンケートに目を通してみると、「来てよかった」という声が多くみられ、“お得感満載”の講演ができたかな?と思います。
後日、この講演を聴いてくださった医師会の先生とお会いした際に、その先生、僕の顔をまじまじとみて、「先生、話うまいなぁ」としみじみ。
ありがとうございます。