神戸市東灘区の小児科・アレルギー科ならばやしこどものアレルギークリニック

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NAC隊長のソロ活動SOLO WORK

食物アレルギーのある学童に向けたNACの取り組み①

忙しい土曜日の午後を休診にしてしまい申し訳ありませんでした。

研究会で発表をしました。

タイトルは「牛乳アレルギーのこどもたちがファーストフード店で何を食べているか知ってますか?」という、およそ真面目な発表らしくないもの。

内容は日々の診療でNAC隊長が感じている問題点を多くの医療者の方々に知ってもらうためのもので、好評だったと思います(そんな手ごたえがありました)。

コロナ禍になってから、久しぶりに“リアルな場”で発表出来て嬉しかったです。

2015年にピーナッツアレルギー発症予防に関する研究報告が世に出てから、毎年のように新しい研究報告が出され、これまでのところ、ピーナッツ、鶏卵、牛乳の各アレルギー発症予防に関する研究報告が出ています。

いずれも乳児期早期から食べ始めたほうが、食べなかった場合に比べてアレルギーの発症が少なかったというものです。

牛乳に関しては食べ始める時期も重要と言われています。

こうした研究成果が普段の診療に取り入れられれば、今後食物アレルギーは減ってくるかもしれません。

けれども、発症をゼロに出来るわけではないので、発症してからの「治療」も考えなければなりません。

食物アレルギーの治療といっても、たちどころに食べられるようになる薬があるわけではありません。

「除去すること」というのは昔の話で、今は「食べられる量を食べること」です。

多くの場合、鶏卵や牛乳、小麦のアレルギーは食物経口負荷試験を行って安全に食べられると確認できた量を食べ続けることによって徐々に食べられる量が増えます。

増量するときも負荷試験で安全性を確認するのですが、最終的に卵なら1個、茶わん蒸しやかきたま汁、マヨネーズまで食べられるようになれば日常生活に支障はありません。

牛乳なら200ml、小麦ならうどん200gや食パン1枚程度と言われています。

でも中には、食べられる量がなかなか増えない子もいます。学童期までに食べられるようにならなかった子供たちは、もうその食材を食べようとしなくなってしまうことも少なくありません。

今回の発表では、学童期までに牛乳を制限なく飲めるようにならなかった子供たちの現状をお伝えし、制限がある中でも生活を彩りあるものにするためにNACで行っている取り組みについて報告しました。

長くなるので次に続きます。