思うところ、あり。
この夏二回目の講演は、これまで経験したことがない依頼でした。
日頃、その医薬品を大活用させてもらっている製薬会社の営業所で、社員向けの講演です。
しかも内容は「アトピー性皮膚炎について」。
これまでアトピー性皮膚炎だけで一時間もお話したことがなかったので、構成がなかなかまとまらなくてスライド作成は難航しました。
ただ、普段の診療で思うところもありましたので、そこを中心にまとめる方向でなんとか完成させました。
こうしてスライドを作るときに、参考文献をたくさん読むのですが、これによって自分自身の知識が増えて成長につながるので、基本的に依頼は断らないよう心掛けています。
NACにアトピー性皮膚炎(というか、『湿疹・かゆみ』)の相談で来院される方のほとんどが「すでにほかにかかっているけどよくならない」とおっしゃって来られます。
NAC隊長がたちどころによくなる魔法の薬を処方しているわけでは決してありません。
学会が作成しているガイドラインに従って地道な医療を行っているにすぎません。
現在の医療でアトピー性皮膚炎をよくするには地道な努力を続けるしかないのです。
わたしたちは、その「地道な努力の続け方」をお伝えするよう努めています。
実はNAC隊長はこの“地道な努力”って好きなんです。だって、地道な努力はいつか実ることが多いですから。
もちろん、地道な努力はみんなが続けられるわけではないことも心得ています。
それでも、なんとか続けてもらえるよう、ハードルを下げる努力をしているのですが、それでもできない人はいます。途中で来られなくなる方もおられます。
講演ではそういう日々の診療についてお話させていただきました。
内容が面白かったかどうかはわかりませんが、製薬会社が作っている薬がとても役に立っていることは伝えられたと思います。