神戸市東灘区の小児科・アレルギー科ならばやしこどものアレルギークリニック

神戸市東灘区本山中町4丁目13番15号ご相談 078-412-7925

お知らせINFORMATION

インフルエンザワクチン接種の予約開始

2024年シーズンのインフルエンザワクチンの接種予約のお知らせです。

予約は電話もしくは直接来院で受け付けます。 10月1日から接種できます。 予約分のワクチン確保に努めますのでお日にちが決まらない方でもご予約いただけます。2回接種が必要な方は2回分の予約をお取りください。 接種費用はお問い合わせください。

今年も希望者には『ぷにゅ蔵くん』(保冷剤)を使用して接種時の痛みの軽減に努めます。

それでも痛いのは嫌だというお子さんには経鼻ワクチン(『フルミスト』)をご用意できます。 これは今年国内発売された生ワクチンで、両方の鼻腔に0.1mlずつ点鼻投与するため痛みがなく、1回のみの接種でよく、注射以上の予防効果が見込まれています。

対象は2歳から18歳まで。 神戸市からの助成はありませんので、1回8000円となります。

費用はかかりますが、

1回で済む

痛みがない

効果が高いかもしれない

といった点を考慮してご検討ください。 なお、経鼻ワクチンは希望者数しか入荷しませんので、キャンセルのないようお願いします。

兵庫県アレルギー疾患準拠点医療機関に指定されました。

兵庫県からの通知があったのが二年くらい前でしょうか。必要な資料を提出して待っていましたが待てど暮らせどその後の通知がありません。一年ちょっと経った頃にようやく通知が来たと思ったらまた調整が必要になったからもうちょっと待て、となってどれくらい経ったでしょうか?

先日ようやく通知が来て、このたびNACが兵庫県アレルギー疾患準拠点医療機関に指定されました。

兵庫県内のアレルギー疾患医療の均てん化(県内どこでも標準的なアレルギー診療を受けられること)を推進する目的で指定されたもので、すでに兵庫県のアレルギー疾患医療拠点病院として

神戸大学医学部附属病院・神戸市立医療センター中央市民病院・兵庫医科大学病院・兵庫県立こども病院

の4つの医療機関が指定されており、その役割は以下のようになっています。

  • 診断が困難な症例や重症及び難治性アレルギー疾患患者に対し、関係する複数の診療科が連携し、診断、治療、管理を行うこと。
  • 患者やその家族、地域住民に対するアレルギー疾患に関する適切な情報の提供。
  • 医療従事者の知識や技能の向上に資する研修や学校、児童福祉施設等の教職員等に対する講習への積極的な関与。
  • 学校、児童福祉施設等におけるアレルギー疾患対応への助言、支援。

これに対して準拠点医療機関に求められる役割は

  • 診療ガイドラインに基づく標準治療を普及させること。
  • 一般医療機関では治療困難な患者の受け皿となること。
  • 地域の医療機関からの相談を受けること。
  • 医療拠点病院に紹介、相談を行うこと。
  • 地域の学校等への指導を行うこと。

となっています。すでにNACが開院以来取り組んできたことばかりで、その実績を評価していただけたものと受け止めています。

NACの看護師はアレルギー疾患療養指導士(喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の治療や管理に関する専門知識を有し、
患者さんや家族への指導スキルを兼ね備えたコメディカルスタッフ)または小児アレルギーエデュケーター(日本小児臨床アレルギー学会が認定する、アレルギー疾患の患者指導を専門とする医療従事者)の資格を持っています。

これからもスタッフ一丸となって、NACを頼りにしてくださるみなさまが笑顔で充実した日々を過ごせるよう最大限の努力をし、その努力をすることに喜びを感じ、その社会的使命を自覚して新しい知見を得る努力を怠りません。

2024夏の経験

異常に暑い2024年の夏もそろそろ終盤。

NAC隊長この夏いちばんの思い出は、こどもたちのアレルギーキャンプに参加したことです。

LFA(livingwithfoodallergy)という団体が主催する、食物アレルギーがあるこどもたちが彼らにとっての“食の安全”を学ぶためのキャンプで、NAC隊長はその見守り役として参加しました。

この団体のことは前から知っていたのですが、なかなか接点がなく関わることがありませんでしたが、7月の学会で代表者の方とあいさつを交わしたところでした。

開催の二日前に、参加予定だった医師の一人がコロナウイルスに罹患してしまい、急遽その代役としてお声がかかったというわけです。

日曜日、何も予定がなかったわけではありませんが、開業してからの方針として「医師としての自分への依頼は極力断らない」ことにしていますので、予定を調整して引き受けました。

参加者は小学3年生以上の小学生、高学年になったら経験する自然学校や修学旅行を無事に過ごす力を養うことが目的だそうです。

主に関西在住のこどもたちですが、中には愛知県から参加している児童もいました。みんな初対面だっただろうに、こどもたちはすぐに打ち解けていました。

そして外でバーベキュー。子供たちは暑さ対策に慣れていて、帽子はもちろんのこと、日差しよけのための薄い長袖パーカーや虫除けスプレーを準備していました。一方NAC隊長はといえば、半袖Tシャツにハーフパンツ、帽子なんてありません。

「ああ、昼間は涼しい屋内で仕事をしている僕みたいな大人が、こういうとき熱中症になるんだな」と自分が熱中症のハイリスクであることを学びました(笑)。

使用する食材はさまざまなアレルギーに配慮されたものばかりでしたので、誤食事故が起こる可能性は限りなく低いのですが、普段と異なる場所で緊張して体調を崩すこどもが出ないとも限りませんので、自分がいる意味はあるのかなと思いました。

なにより、アレルギーを気にせずみんなといっしょに食べられる機会を得たこどもたちは本当に楽しそうでした。

NAC隊長がいちばん気になったのは、参加者名簿に記載された、アレルギー症状出現時の内服薬と対応方法。原因食材は違えど、同じ食物アレルギーという疾患なのに、処方されている薬や症状出現時の対応がてんでバラバラなのです。特に気になったのはステロイドの処方。

「強いアレルギー症状が出たら内服」と指示されている子がいましたが、そもそもステロイドは即効性がありません。「強いアレルギー症状」が出たら、まずは即効性があるエピペンを使用すべきです。

ここから見えてきたのは、食物アレルギーって、「どこにかかるか」、もっといえば、「誰にかかるか」で、日々の対応や暮らしやすさに大きな違いが出てきてしまうということ。

本当はもっと食べられるのに十分な検査をされずに制限を余儀なくされていることがあるかもしれません。

食物経口負荷試験のやり方を工夫すればもっと食べられるかもしれません。

エピペンを使用するタイミングを見直せば誤食しても強い症状に至らず済ませることができるかもしれません。

国は「アレルギー診療の均霑化(どこにいても標準的な治療が受けられること)」を目指していますが、現状はまだまだだなぁと感じます。

とにもかくにもこのアレルギーキャンプ、終了後のアンケートですべての子供たちが満足して、「また参加したい」と答えていました。

素晴らしい。NAC隊長もまた参加したいです。