神戸市東灘区の小児科・アレルギー科ならばやしこどものアレルギークリニック

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2023年食物経口負荷試験のまとめ

2023年はコロナがまあまあひと段落した反動で様々な感染症が流行する一年でした。

そんな中でもNACでは、食物アレルギーのあるお子さんが安全に食べられる量を明らかにするため、のべ315人に食物経口負荷試験を行い、58人に何らかの症状を認めました。

2023年は多くのこどもがコロナ以外の感染症に罹患したため予定していた負荷試験をキャンセルせざるを得なかった方が多く,実施数は昨年より少なくなりました。

鶏卵149名、牛乳91名、小麦34名、ピーナッツ9名、カシューナッツ2名、ヘーゼルナッツ1名、マカダミアナッツ1名、アーモンド4名、ココナッツ1名、エビ3名、魚7名、イクラ1名、タラコ1名、大豆6名、ソバ2名、ゴマ1名、その他1名と、いろいろな食材で行いました。

アドレナリンの筋肉注射が必要だった方は1名ですが、重症化への進展を防ぐために使用したものでした。

 

食べて症状が出た食材を「一年は除去しましょう」はやめましょう。その一年の間に負荷試験を行って食べられる量を増やし、除去不要になってしまうことだってありますから。

子供にとっての「一年」という時間のもつ意義は大きいのです。

一年除去して食べられるようになる保証はありません。安全に食べられる量を食べて、負荷試験を行って増やしても大丈夫か確認してまた安全に食べられる量を食べる。これを繰り返して食べられるようになっていくのです。

NACがこの検査を行うのは、ご家庭での食事は“安全で楽しい時間”であってほしいと願うからです。「もしかしたら症状が出るかもしれない」リスクをご家庭で背負う必要はありません。

リスクはNACに任せて、ご家庭では楽しく食事してください。

 

気になっているのは、まだ除去解除できるほどに食べられるようになっていないにも関わらず、来院が途絶えてしまったこどもたち。

どこかほかの病院を受診して食べられるようになっていたらいいのですが、除去を続けている、もしくは摂取量を制限したままになってしまっているとしたら残念でなりません。

もしこの投稿を目にされましたら、ご連絡ください。

新年は1月4日(木)から診療を開始します。

みなさん、安全で楽しい年末年始を過ごしてくださいね。