神戸市東灘区の小児科・アレルギー科ならばやしこどものアレルギークリニック

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お知らせINFORMATION

食物アレルギーのある学童に向けたNACの取り組み④

たとえば、牛乳アレルギーのあるこどもたち。

NACでは牛乳を完全に除去しているこどもはいません。みんな、自分が安全に食べられる量を食べてくれています。

そんな彼らも外食では乳成分が入っているものは食べないようにしているようで、大手ファーストフード店で彼らが食べているのは

 

「ポテトと(チキン)ナゲット」

 

それって、サイドメニューじゃん!て思ってしまいます。

でも実はみんな本当はハンバーガーを食べてみたい気持ちがあるんです。

ハンバーガーの何に牛乳が使われていそうでしょうか?

バンズ(パン)です。お店のホームページには商品ひとつひとつに特定原材料に指定されている7品目とそれに準ずる21品目のどれが含まれているか掲載されています。

じゃあ、バンズにどれくらい牛乳が含まれているかわかれば、もしかしたら牛乳アレルギーがあっても食べられるのでは?

食物アレルギーのある学童に向けたNACの取り組み③

学童期に入ってもまだ食べられる量に制限があるこどもたちが出来ること、それは・・・。

まだ医学的に証明されたわけではないのですが、NAC隊長の考えは、食べられる量を地道に食べること です。

そうやって、体の中でアレルギーがある食材を受け入れる「免疫寛容」がじわじわ広がっていくのを期待するのです。

制限なく食べられるようになるかどうかはわかりません。

ですが、食べられる量が増えてくれば、加工品や外食で食べられるものが増えていきます。

もちろん、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、アレルギー性鼻炎(花粉症も含む)などを合併しているなら、それらもきっちり“いい状態”に維持する必要があります。

 

あれ?経口免疫療法と同じじゃないの?

食物アレルギーのある学童に向けたNACの取り組み②

研究会をwebで聴講してくれた友人・知人から「いい発表だったよ」という嬉しい知らせをいただきました。

 

学童期までに食べられるようにならなかった子供たちに向けた治療として『経口免疫療法』というのがあります。

もう10年位前から行われている治療ではありますが、いまだに「研究段階」の域を出ず、一般化された治療ではありません。

当初は「日常摂取量(卵1個、牛乳200ml、うどん200g)を目指す」ものでしたが、それだと無理があることがわかってきて、現在は「少しでも食べられる量が増えるように」という風に変わってきています。

食物アレルギーがある子供たちの願いは「量や状態など、いろんなことを気にせず食べられるようになること」だと思うのですが、経口免疫療法はそういう治療ではありません。

他には生物学的製剤を併用した経口免疫療法や、経皮免疫療法などが研究中ですが、いずれも問題がありなかなか実用化の目途が立っていません。

では、今出来ることはなんでしょう?