神戸市東灘区の小児科・アレルギー科ならばやしこどものアレルギークリニック

神戸市東灘区本山中町4丁目13番15号ご相談 078-412-7925

お知らせINFORMATION

エピペンは”お守り”じゃない!!①

いつになく強い口調のタイトルで。

 

食物アレルギーがあるお子さんの中にはエピペンをお持ちの方もおられるかと思います。

エピペンとは、原因食材を食べて強いアレルギー症状が出たときに使用するアドレナリンの自己注射薬のことです。

薬剤としての使用期限がおおよそ一年なので、毎年継続処方されることが多いのですが、その際NAC隊長が必ず確認しているのはその使い方。

処方されたエピペンについてくる練習用“エピペントレーナー”を親御さんに渡して「使ってみてください」。

すると多くの親御さんが「え?え?どう使うんだっけ?」と側面に書いてある使用説明図を見始めます。

その時点で OUT!

食物アレルギーのある学童に向けたNACの取り組み⑥

今、食物アレルギーに対する企業の取り組みが進んできて、多くのファーストフード店のホームページでは、個々の商品に含まれる特定原材料7品目とそれに準ずる21品目含有の有無が掲載されています。

食物アレルギーのあるお子さんにとって嬉しい状況になってきています。

でも、食物アレルギーへの対応も時代と共に変化して、かつてはアレルギーがあれば原則「完全除去」とされていた対応が、今は「安全に食べられる量は食べる」に変わっています。

「含むか含まないか」だけの表示は「完全除去か否か」という時代の医療にようやく追いついただけで、今の医療には追いつけていない、と考えることも出来ます。

実現には多くの課題があるのかもしれませんが、企業の表示も「含むか含まないか」から「どれくらい含むか」に進んでくれるといいな。

 

というお話を研究会でしました。

「社会的に意義のある取り組みだ」と評してくれた先生がおられました。

まさにNACの理念である「その社会的使命を自覚して新しい知見を得る努力を怠らない」に沿った取り組みです。

食物アレルギーのある学童に向けたNACの取り組み⑤

栄養学の世界で食物アレルギーに取り組む第一人者である別府大学のT先生にお願いして、バンズに含まれる乳タンパク質の量を測ってもらいました。

すると、多くのこどもたちが利用する業界最大手Mc社のバンズに含まれる乳タンパク質はとても少ないことが判明しました。

どれくらい少ないかというと、もしこのハンバーガーがスーパーやコンビニで包装された状態で売られていた場合に食品表示法で表示が義務づけられているアレルゲン含有量に満たない程度 です。

これなら多くの牛乳アレルギーのこどもが食べられるかもしれません。

そこでNACでは、学童期以降も牛乳摂取に制限があるこどもたち10人にMc社のハンバーガーを食べてもらう試験を行いました。

結果はもちろん、全員、1個食べて二時間経過しても症状が出ませんでした。

みんな喜んでくれましたし、その後、実際にお店でも食べてみて、症状が出ることなく食べられたと報告してくれました。

みんな笑顔がキラキラしています。