明けましておめでとうございます。
NACは1月4日から診療開始しています。
昨今、食物アレルギーがあるこどもが増えています。「アレルギーを診る」というとき、食物アレルギーを診ないわけにはいきません。
食物アレルギーを正確に診断し、また、食べられるようになったかどうか確認するためには、原因食材を実際に食べて反応を見る食物経口負荷試験が欠かせません。
NACでは開院以来、この食物経口負荷試験を実施しています。2018年はのべ176人の負荷試験を行いました。そのうち38人で症状が出るのを確認しました。
食物アレルギーでは、アナフィラキシーという重い症状が出ることがあるのですが、特に重いときにはアドレナリンという薬を使用しなければなりません。
2018年にアドレナリンを使用したのは38人中1人だけでした。
2018年は開院1年目から2年目にまたがった1年で、アドレナリンを使用したのは開院1年目の時期でした。わたしたちはこのお子さんから多くを学び、以後はなるべく重い症状を起こさない負荷試験を目指すようになりました。重い症状が出てしまうと、親御さんは食べさせることへの不安が強くなり、お子さんは食べることを怖がるようになってしまうからです。
でもこれはなかなか難しいことです。これまでの経過や検査結果とNAC隊長の経験から、慎重に食べてもらう量を決定しています。
2019年は食物経口負荷試験の実施数が200を超えると予想しています。
症状が出るかもしれないものを食べさせる検査なのに、「安全」を謳うのは矛盾しているように感じられるかもしれませんが、わたしたちは「安全な負荷試験」を目指してがんばります。
これを新年の挨拶に代えさせていただきます。